クルマを買うならハイブリッド?

クルマのパワーユニットは現在、「ガソリンエンジン+モーター」「ガソリンエンジン」「ディーゼルエンジン」「モーター」の4種類となっていますが、燃費や維持費などをトータルで考えたときに、どのパワーユニットがよいのでしょうか。

ガソリンエンジンやディーゼルエンジンは、今までの内燃機関として誰もが知っているパワーユニットですが、この内燃機関も燃費向上のためにここ10年で大きく進化います。

特にマツダの発表したスカイアクティブXと呼ばれる自然着火ガソリンエンジンは、自動車業界だけでなく、多くの人を驚かせました。


これまでガソリンエンジンが燃費で高出力を得るには、エンジンを小型化してターボを搭載し、低排気量車並みの燃費で大排気量車なみのパワーを実現するダウンサイジングターボエンジンが主流です。

マツダの新しいエンジンが、多くの自動車メーカーに広がれば、ガソリンエンジンは今より低燃費でパワーを出せるように変わっていくことでしょう。


クルマを買うならハイブリッドそれとも


当然、ハイブリッドエンジンも技術進歩が目覚ましく、ガソリンエンジンは発電専用として使用し、走行は完全にモーターだけとなるクルマもあります。

そこで、今現在どちらがコストを考えるとお得かという事ですが、結論から言うとガソリンエンジンのほうが、初期投資やランニングコストを考えても安いことがわかっています。

ではなぜ、ハイブリッドがこれほど人気があるのかというと、日々の燃料代がかからないことが大きな理由でしょう。


確かに燃料を入れるタイミングは、ガソリンエンジンより長くなります。


しかし、車両本体価格がガソリンエンジンより高いので、この差は1年で10,000km程度の走行では、5年以上乗り続けても縮まることはありません。

では、同じ高額のディーゼルエンジンを見ると、こちらはガソリンより燃料代が安く、しかも燃費もガソリン車より良くなっています。


これを考えると今燃料だけ削減したいならディーゼル車が一番コストがかからないといえます。

ハイブリッド車は、燃費性能が優れているといわれますが、実際今の内燃機関の性能はかなり良くなっています。


燃費もハイブリッドと比べてもリッター当たり数キロしか違わない車種もあることから、ハイブリッド車を買えば、クルマのトータルコストが安いというわけではありません。

こういう話をすると、環境問題を唱える人もいますが、ハイブリッドに使われるバッテリーを製造する過程で、どれだけ環境に悪いことをしているのか、これを知れば環境に良いからハイブリッドに乗るといえなくなるでしょう。

何故ハイブリッド用のバッテリーが環境に悪いのかといった話は、次回につづきます。

ハイブリッド車はガソリン車より環境に悪いかもしれない

環境に優しく低燃費という触れ込みでハイブリッドカーが登場し、瞬く間に全世界でハイブリッドカーが生産されています。


一般にハイブリッドカーは30%程度排出ガスが少なく環境にやさしいといわれていますが、本当なのでしょうか。

ハイブリッドカーは、低燃費と環境にやさしいことから、多くのメーカーが販売しており、人気があります。


そこで問題なのが使用済みのハイブリッドカーに使われるバッテリーです。

ハイブリッドカーにはリチウムイオンバッテリーやニッケル水素バッテリーが使われていますが、性能面で優れているリチウムイオンバッテリーが主流となっています。

このリチウムイオンバッテリーには、ニッケル、コバルトそしてレアアースが使用されています。


しかし、ハイブリッドカーが大きく普及しているのにくらべ、リチウムイオンバッテリーの回収技術は進んでいいのが現状です。

バッテリーは、生産する時に膨大なエネルギーを消費し、そして廃棄する時にもこれまた膨大なエネルギーが必要なことはあまり知られていません。


そしてハイブリッド車に使われているモーター内のコイルは銅ですが、これも実はレアメタルが使用されており環境負荷が高い物質であることは知られていません。

当然、自動車メーカーもこの事態を黙ってみている訳ではなくトヨタでは、ハイブリッド用のバッテリーを回収する時に1個2,500円払って回収してくれます。

これにより、バッテリー処理にかかるコストが高いことを嫌う悪質業者が不法投棄をすることを押さえることはできますが、根本的なバッテリーの製造と廃棄時に出る大きな環境負荷はまったく考えられていません。

このように、ハイブリッドカーは購入して使用しているときには環境にやさしいクルマに見えますが、自動車生産時や廃棄時には、ガソリンエンジンより大きな環境負荷のかかるクルマでもあります。


環境にやさしいクルマとはいえないのかもしれません。