エンジンは、燃料を燃やしていますから当然大きく発熱します。
そして、エンジンの発熱をある一定に抑えるために、冷却水を使用しているのが、現在のクルマのエンジンを冷やすシステムです。
エンジンから熱を奪って熱くなった冷却水はラジエーターへ送られます。
ラジエーターでは、内部を循環する冷却水をクルマの走行風で冷やし、またエンジンに戻しています。
しかし、このサイクルのどこかに不具合が起きるとクルマはオーバーヒートを起こし、最悪、エンジンが焼けて再起不能となることがあります。
近年、日本の気候は温暖化により、夏場の最高気温が40度を超えるところも珍しくなくなりました。
しかし、これだけ気温上昇が激しいにも関わらず、最近はオーバーヒートして路上に止まるクルマを見ることはほとんどなくなりました。
これは、クルマの性能が向上したからでしょう。
しかし、クルマを長い期間使用していれば、いくら性能が向上したクルマとは言え、機械である以上劣化が起きてオーバーヒートを起こす要因がでてきます。
そこで、オーバーヒートの前兆として最近のクルマに見られる現象の一つが、いきなりのパワーダウンです。
これは、エンジン水温の上昇により、エンジンを保護するためにコンピューターがパワーを一時的に落とす仕組みです。
最近は、水温計がないクルマも多いですが、暑い日の走行でこのような症状が現れたら要注意です。
ダイハツには水温が高くなると赤く表示されるクルマがあります。
現在のクルマで、オーバーヒートの原因と考えられるのは、サーモスタットの不具合、ファンベルトが切れているとか、ラジエーターやホースの劣化により冷却水が漏れているとかです。
10万キロ近く走行しているクルマは、整備工場でこれらのパーツの点検を行い、クルマの水温管理が適切かどうか確認してもらうと安心です。